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西馬音内盆踊り
8月の3日間、秋田県羽後町西馬音内(にしもない)で開催される盆踊り。1981年、国の重要無形民俗文化財として指定され、日本の3大盆踊りとして知られるようになりました。個人的には去年風の盆(富山)に行って、検索していたら知った盆踊りです。阿波踊り、郡上踊りと並んで日本の3大盆踊りとは知りませんでした。しかも難読地名でどうしてにしもないと呼ぶのかと思いました。西の方から馬の声が聞こえてきたからとか諸説あるようです。今日はそんな盆踊りを紹介したいと思います。

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上の2枚の写真は体育館の隣のセンターで、クラブツーリズムのお客さんだけにイベントで保存会が演舞してくれたものです。この後、わたしたちに踊りかたを教えてくれましたが、30分で覚えられるものではないですが、手や足の動きを教えていただいてよかったです。
動画でダイジェスト

踊りの起源は、1288~93の頃、西馬音内御嶽神社の境内で豊年満作の踊りが始まってと言われますから700年以上の歴史のある踊りです。1971年秋田県の無形文化財に指定、1981年国の重要無形民俗文化財に指定、海外にも進出しています。音楽を聴いていると鐘(鉦=しょう)の音が何となく祇園祭のコンチキチンに聞こえます。踊りも上方風だと言われますから、秋田とはいえ上方の影響があるのでしょうか。

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16日夜から18日夜11時半まで行われます。ツアーはこれが目的なので終演まで見てからホテルに行きますからホテルに着くと夜中です。初日の16日は台風の雨のため体育館で行われました。風の盆は学校の校庭でぐちゃぐちゃの足元に合羽着て1時間程度でしたから、こちらは天国です。丁度お囃子の正面に陣取り、しかし暑いのでみんなあちこち移動していました。今日は少し説明をします。本番の演舞は次回紹介です。

囃子方、笛、大太鼓、小太鼓、三味線、鼓、鉦(鐘)を使います。歌い手がいます。
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(写真ではまだ歌い手が来ていません)

編み笠
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井草でつくられた笠、前後を赤い紐で結びます。

端縫い衣装(はぬい)
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大小の絹布の端切れを配色や配置に工夫して作られた衣装で、100年を経たものもあるそうで代々伝わるものだそうです。でも全体では数は少なかったです。やはり貴重なんですね。

履物
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ご覧の様に白い足袋に紅白の緒がついた草履。昔は何時間も踊るので予備を腰に挟み込んでいたそうです。今は丈夫で2年くらいは持つそうです。

藍染め浴衣
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手絞りの藍染浴衣、最も古いのは百数十年と言われます。腰にさげた赤い布をしごきと言います。

彦三頭巾(ひこさずきん)
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西馬音内盆踊りの最大の特徴はこの彦三頭巾です。ご覧の様に黒い布で目のところだけ開いています。結構若い人が踊っていました。「亡者踊り」と呼ばれます。由利地方や山形県庄内地方の女性が用いる「はなふくべ」「はんなこった」=農家の方が農作業の時に日よけや汗ぬぐいにつかうために顔を覆っている布から来た説と、歌舞伎役者の黒子から来たという説があるようです。それにしても不気味と言えば不気味ですが、実際に見ているとそんな感じはないです。というのも意外と若い踊り子が多かったからだと思います。
次回本番です。